住宅会議115号 2022.06

「住宅会議」という雑誌がありまして…、

一見、地味な感じではありますが、かなりレベルの高い住宅系の雑誌です。ただ、ふつうの住宅雑誌と違い、住む事や住まいを学術的に捉え、議論している雑誌です。

ここでは「デザイン」というものが軽薄な感じでなく、「計画および設計 = デザイン」として扱われています。

そんな雑誌に寄稿させていただくことは、住宅などを手掛ける建築設計者にとって、大変名誉なことであります。

執筆者も、住宅研究の有名どころがずらり…。

私だけ、建築設計の実務者ですね。うーん

理事会メンバーも、孤独死研究の塩崎先生を筆頭に、住宅研究界の大御所たちがずらり…。

建築デザインを志向する建築専門家は私だけです…。

建築の専門家って本当に幅広くて、私のような実務の設計者から、施工者、住宅研究者まで幅広くカバーする職能なんです。

最初は同じような動機で(多分建築デザインがやりたくって)、建築学科に進学してくるのですが、そのまま建築設計に進むのは本当に一握りの人間だけです。

建築計画学という「建築学」の中でも大きな研究分野のなかでも、住宅研究は、かなりの大きな場を占めています。またその守備範囲も多岐にわたります。

やはり、「住宅」って人の生活の中の基本ですもんね。

住宅デザインと建築計画って、あまり関係ないように思えるかもしれないですが、でも、この「建築計画」って、住宅設計の中でも本当に大きな比重を占めているんです。

「建築デザインにはセンスが一番大事だ~!」とみなさんはお思いになるかもしれないですが、実はあまりセンスって関係ないんです。それは個人それぞれの好みの世界なので、…、それよりも、建築デザインには「建築計画的な素養と能力・スキル」が一番重要だと言われています。

建築デザインが上手でない設計者は、ほとんど全員って言っていいほど、「見かけの飾りとしてのデザイン」をデザインだと思っていて、そちらばかりをやっています。それだと研究者や他の設計者は誰も評価をしてくれないんです。

逆に、建築デザインが上手だと同業者からの評価を受けている設計者は、全員、建築計画的な訓練が為されており、まずはそれを一番重視します。住宅としての機能性いろんな意味での合理性ですね。そのいわゆる「建築としての骨組み・論理構成」がしっかりとしていないと、結局、デザインはただの飾りにしかならないんです。それが、同業者から「彼はデザインがうまい」と評価されるか、「彼は下手だね」と思われ、評価されない建築家の差です。

この建築設計の世界は、本当に奥深いが、しかし実に合理的な世界なんですね。

建築計画的に比重を置いた建築デザイン

でも、「建築計画的な部分に比重を置いた建築デザインってなんか重苦しいんじゃないの???」とお思いになる方も多いと思いますが、例えばどんなのが、それに該当するか、例を挙げてみます。

連続し寄り添うハコニワ

この住宅は、3つの中庭を持っていて、箱庭のように閉鎖的に見えながら、快適で開放的な生活が成立している住宅です。中庭を合理的にシンプルにデザインにしています。

路地にかかる大軒

この住宅は、濃厚な近隣関係を持つ住宅地で、住宅内部のプライバシーとご近所づきあいを両立させた住宅です。

囲い庭に埋もれる平屋

シンプルな囲い庭に、庭に埋もれるように居住空間を配置した住宅です。庭とリビングがかなり近い距離で同居しており、庭と親密な距離感で生活が展開します。

「住宅会議」に寄稿した元ネタはこれらなんです…

岩沼市玉浦西災害公営住宅B-1地区
石巻市北上町にっこり南・北復興公営住宅

小さな住宅見学会を開催予定です

明後日19日には小さな見学会がありますので、キョゥミのある方はどうぞ。お申し込みください。

「山神の住宅」見学会、やってます~

※ご来場希望の方は、氏名/参加人数/を記入の上、ご連絡をお願いいたします。お申込みいただいた方に案内図をお送りいたします。

申込メールアドレス  uapp@mve.biglobe.ne.jp

予約状況

11月19日土曜日

■駐車場がございます。お車でのご来場が便利です。

詳しくは →こちら

こっそりと…

さて、それでは私の原稿部分のみ、こっそりとここに載せておきます。ここに書いていることは「建築デザインと関係ないんじゃないかなあ…」と思われる方も多いと思いますが、この建築計画的骨組みの上にそれを補強するように、或いはそれを飛躍させるように、人々の共感や理解を促すように為されるのが建築デザインであって、この世界の価値観の中心であり、評価の対象なんです。

まあ、読みたい人はいないでしょうけど…。苦笑