仮称)河辺のリノベーション

いまいちかっこ悪い名前だなあ…、などと思いながら、考えあぐねていますが、先日竣工写真の撮影を行ってきました。

写真の整理などの作業はまだまだこれからですが、その時の写真を少しチラ見的に御覧に入れると…。

玄関

玄関を入るとこんな感じの空間です。この視線のまっぐ先には、仙台の中心部の摩天楼の絶景が広がっています。

リビング/リビングは大きなワンルームです。
これもリビング
寝室から、リビングを見る

今回のリノベーションは、「鉄骨鉄筋コンクリート」という日本のみで独自進化した構造方式の建物だったせいで、既存の仕上げ材を撤去した時に、その躯体があまりきれいでなく「どうしたものか」と本当に悩んでしまいました。

上の写真は、耐火被覆材を吹き付け既存の鉄骨梁です。「これを現しにしてうまく行くのか」と頭を抱えていました。「マズいなあ…。」「失敗するんじゃないかなあ…。」なんて、ドキドキしながら、本当に思うんです。

しかし、天井に木毛セメント板を貼ると、これがうまく調和し、「これはいける!」と急に自信が復活しました…。

ということもあり、今回の建築は仕上げ材料にかなり大きな比重を置いています。

床のタイルと、「モールテックス」という少し特殊な左官仕上材の組み合わせです。

木毛セメント板とタイルの組み合わせ

木毛セメント板と木材の組み合わせ

このほか、3種類の左官材をつかっていますが、それについてはもう少しまとめてから御覧に入れます。

終わりに

お客さんには本当にいろいろなタイプの方がいらっしゃり、空間の感覚がすぐれた方や、色に興味のある方など、様々です。今回は、素材にすごく興味を持ってくださるクライアントさんででした。左官仕上やタイルなど、とても勉強になる現場でした。

例えば、素材構成に注力した現場だと、「路地に係る大軒」などはその最たる事例です。建築計画とともに、素材構成に多くの作業を割きました。

外壁の左官材料「エクセルジョイント」と軒天井の「木毛セメント板」が効果的に組み合わされています。でも、こういうのって、難しいんです。

路地に係る大軒

この「劇団の家」も、防音性能の獲得が大きなテーマでしたが、その性能獲得のために、同素材を使いまわすかは大きなテーマでした。吸音効果と重低音の遮断を意図して、木毛セメント板も多用されています。

劇団の家

また、「山神の住宅」の見学会をやりますので、もしご興味があればご連絡ください。m(__)m

山神の住宅

でも、『「建築の魅力」ってものがどうやったら醸し出せるのか』は本当に謎が深く、よく分かりません。人間だって、「その人ならではの魅力」というものがどうやったら出るのかよく分からないのと同じで、単純でシンプルで誰にでも分かっているようで、でも誰にもよく分かっていないんです。

建築や空間の魅力って「ひとの魅力」と同じで、解き明かそうとするとよく分からないのですが、でも誰にでもすぐわかるという不思議なものなんだと思います。私たちの仕事は『その魅力』をどうやって作り上げて行くかに挑む、不思議な仕事なんです。

T島

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